胆石症について

暑さが厳しかった夏も終わり、「食欲の秋」がやってきました。
夏場に落ちていた食欲が戻り、つい脂っこい料理やごちそうを楽しみたくなる時期です。
しかし、脂質の多い食べ物や高カロリーの食事はからだに負担をかけるため注意が必要です。
このような食生活が影響する病気の一つに、胆石症があります。
胆石症とは
胆石症とは、胆道で胆汁の成分が固まって結石ができる病気です。
日本人の約10~15%が胆石を持っているとも言われています。
できる場所による分類
① 肝内結石
② 胆のう結石(最も多く全体の約8割)
③ 総胆管結石
| 【胆のうとは】 肝臓の下に位置する長さ約10cm、幅4cmほどの西洋梨のような形をした袋状の臓器で、肝臓で作られる胆汁を濃縮して溜めておく役割。胆汁は、脂肪の消化に欠かせない濃緑色〜茶色の消化液です。 食事をすると胆のうが収縮し、貯えていた胆汁を十二指腸へ送り出します。 胆のうの収縮機能が低下すると胆泥が排出されにくくなり、胆のうに胆石ができやすくなるとされています。 |
原因による分類
コレステロール結石
胆石全体の7~8割を占めるとされている。胆汁中のコレステロールが増えると、余分なコレステロールが結晶化し、胆泥(コレステロールの微結晶、ビリルビンカルシウム塩、ムチンなどが混じった泥状の「胆石の前段階」の状態)を形成し、やがて胆石へと成長
色素結石
細菌感染、溶血性疾患、肝硬変などが原因となって生じる
胆石症の危険因子
胆石症の危険因子としては、加齢(40歳代以降)、肥満や脂質異常症、甲状腺機能低下症、高カロリー食の摂取、急激なダイエット、女性ホルモンの影響などが挙げられます。
以前は女性の方が起こりやすいとされていましたが、2013年の日本胆道学会による全国調査では、男性に多い傾向が認められたとの報告もあります。
胆石症の症状
胆石があっても7~8割は症状がなく、健康診断や他の病気の検査で偶然見つかるケースも少なくありません。
胆石症の主な症状
心窩部から右上腹部の痛みや違和感。胆石が胆のうの出口や胆管に詰まってしまうと、激しい痛みを起こす。症状は食後数時間で起こることが多く、肩甲骨から肩にかけての放散痛や、吐気・嘔吐を伴うことがある。
急性胆のう炎の症状
右上腹部の激しい痛みや吐気、高熱を伴う。急性胆のう炎の主な原因は胆石だと言われています。
胆石が胆のうの出口でつまり、胆汁の流れが悪くなって、そこに細菌感染を起こすことにより発症します。
急性胆のう炎は放置すると腹膜炎や敗血症を起こすこともあるため、早期治療が重要となります。
胆石症の検査と治療
検査
症状や身体診察に加えて、腹部超音波検査などの画像検査、血液検査などが行われます。
治療
症状:無症状かつ胆石が小さい
治療:積極的な治療の対象とはならず、定期的な超音波検査によって、胆石の大きさや数、位置の変化の確認や、症状の有無を確認するなどといった経過観察
症状:症状を伴う、無症状でも胆石が大きい
治療:胆のう壁の肥厚などがある場合は、将来的な症状の発症や胆のうがんの発生リスクの関係から治療を検討。
内科的な治療としては経口胆石溶解療法や対外衝撃波結石破砕術。胆石発作を繰り返しているケースや、急性胆のう炎、胆管結石を発症した場合は、手術による治療が検討されます。
胆石症の予防
胆石症は生活習慣にも大きく影響を受けます。予防のためには、以下の生活習慣を意識してみましょう。
食事
脂質の摂り過ぎに注意し、野菜、海藻類などの食物繊維の多い食品、ビタミンCが豊富な果物、青魚を積極的に摂る。食べ過ぎに注意し、バランスの良い食事を、三食決まった時間に規則正しく摂る
過度な減量を避ける
極端なカロリー制限や短期間の大幅な体重減少は、胆汁成分のバランスを崩し胆石ができやすくなることがある
過度な運動
肥満は胆石のリスク要因の一つ。適度な運動で肥満を予防する
水分摂取
水分を十分に摂り胆汁の粘度を下げることで、胆石の形成を抑える働きがある
株式会社メディエイト 保健師 小河原 明子

