自覚症状がないからこそ大切にしたい血圧チェック(家庭血圧測定のすすめ)

毎年5月17日は「世界高血圧デー」です。日本でも日本高血圧学会と日本高血圧協会がこの日を「高血圧の日」と定め、高血圧に関する啓発活動が行われています。

高血圧は脳心血管疾患や腎疾患などの大きなリスク要因であり、日本では推計4,300万人が高血圧とされています。高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行するため、「サイレントキラー」とも呼ばれています。

今回は、ご自身の血圧をより正確に把握するための方法として、日常生活の中で取り入れやすい「家庭血圧測定」についてご紹介します。

家庭血圧測定の重要性 ~血圧は常に変動しています~

血圧は、測定する時間帯や体調、気温、ストレス、睡眠、食事など、さまざまな影響を受けて常に変動します。

白衣高血圧:健康診断での血圧測定で、緊張して数値が高めに出る
仮面高血圧:健康診断では正常でも日常生活では血圧が高い

このように、健康診断時に一度だけ測った数値では、普段の血圧状態を正確に捉えることができません。そのため、ご自宅で落ち着いた状態で測定する「家庭血圧」がとても重要になります。

健診で血圧が高めだった方は、ぜひ家庭血圧を測定してみてください。健診で問題がなかった方も、普段の血圧を知ることで安心につながります。

家庭血圧測定の方法

血圧は、測定する状況によって数値が変動してしまいます。正確に測定するためのポイントは次の通りです。

血圧計の選び方
上腕にカフを巻いて測定するタイプの「上腕式血圧計」で測定する。

※手首式タイプの血圧計などもありますが、測定姿勢(位置)等によって血圧が変動しやすく、測定に誤差が出る可能性もあるため、上腕式血圧計での測定が推奨されています。

服装

  • 薄手のシャツ、もしくは素肌にカフを巻く
  • 厚手のシャツや上着は脱いでおく(厚地のシャツをたくし上げて上腕を圧迫しないようにする)

血圧を測る環境

  • 静かで適温の室内で、原則として背もたれつきの椅子に脚を組まずに座る
    ※寒い室内で測定すると血圧が上昇する
  • 測定前は安静にし、喫煙、飲酒、カフェインの摂取を避ける
  • 血圧計のカフを心臓の高さに維持する
  • 測定中は会話を交わさない

測定するタイミング

  • 朝:起床後1時間以内、排尿後、服薬前、朝食前に測定する。測定前に座って1~2分程度安静にしてから測定する
  • 夜:就床前に測定する。測定前に座って1~2分程度安静にしてから測定する
  • その他:自覚症状がある時など適宜測定をする

血圧を測る回数
朝、夜共に原則2回測定する。測定した血圧は全て記録する。(数値は2回測定した数値の平均値を採用する)
※特別な場合を除き、1機会の測定で4回以上の測定は推奨されていません。

血圧測定結果の見方

検査方法 測定場所 正常血圧基準 高血圧基準
診察時血圧 病院や健診 120/80mmHg未満 140/90 mmHg以上
家庭血圧 家庭で測定 115/75 mmHg未満 135/85 mmHg以上
  • 「家庭血圧」の基準値は「診察時血圧」より低い
  • 正常値より少し高い「正常高値血圧」の段階から、血圧の上昇に伴って脳・心血管疾患の発症リスクが高まることが分かっています。

高血圧だった場合の対応

高血圧基準に該当する場合は、治療の対象とされています。この基準に該当する場合は、家庭血圧測定結果(5日以上測定した結果)をお持ちいただき、かかりつけ医やお近くの内科、循環器内科へご相談下さい。

また正常血圧よりも高い方も、高血圧予備軍として注意が必要です。減塩や適度な運動などの生活習慣での注意を行いながら、家庭血圧の測定を続け、血圧の観察を行いましょう。

株式会社メディエイト 保健師 小河原 明子