防災の日に考える備え

9月1日は「防災の日」です。日本は世界の中でも地震や火山、台風や集中豪雨などの自然災害が非常に多い国です。近年では、毎年のように全国各地で自然災害が頻発し、甚大な被害が発生しています。
防災の日は、事業所の備蓄、安否確認、健康リスク対策などを総点検し、従業員の命と事業を守る仕組みを見直す絶好のタイミングです。職場や従業員一人ひとりの備えを強化するきっかけにしてみましょう。
BCP(事業継続計画)に欠かせない安全衛生の視点
災害は、勤務中だけでなく、深夜・休日・在宅勤務中など、職場の管理が及ばない時間帯や場所で発生する可能性もあります。
従業員や家族が被災すると…
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- 出社ができなくなる
- 連絡が取れない
- 心身の不調で業務に集中できない
→ 企業の事業継続に大きな影響が生じる可能性
職場はもちろんのこと、従業員自身も家庭での備えをしっかりと行い、事業場内外での対策を行っていくことがBCPとって重要となります。
災害時に企業が直面する安全面の問題と健康課題
災害時には以下の様な安全上の問題や健康課題が生じると考えられます。
- 通信手段断絶により従業員や家族の安否確認が困難となる
- 帰宅困難となる
- 転倒、家具や落下物による怪我
- 停電による空調停止に伴う、夏場の脱水・熱中症、冬場の体温維持
- 断水・衛生環境の悪化に伴う食中毒・感染症
- 持病のある従業員の健康状態の悪化
- 睡眠障害、不安・集中力低下、災害後のストレス反応などのメンタルヘルスへの影響
職場で今一度見直したい防災対策
災害対策は一度整備して終わりではなく、事業所の環境変化・従業員構成の変化・新たな災害リスクに応じて、定期的な見直しが必要です。以下のポイントを再チェックしましょう。
□ 職場や業務関連施設周辺のハザードマップを確認
災害のリスクとその影響、避難の必要性などを把握する。
□ 建物の耐震基準を確認
旧耐震基準の場合、新基準の建築物と比較して被害が大きい可能性がある。
従業員を社内待機させる場合、建築物が大規模地震に耐えられることが前提。
□ 安否確認体制を整えておく(連絡網やアプリの活用など)
発災時の出退勤のルールや帰宅困難時の対応をあらかじめ決めておき、周知する。
帰宅困難者は集団転倒、余震被害、救助・救急活動等の妨げなど新たな災害を発生させる原因となる。状況に応じ社内待機させ、従業員が帰宅困難者とならないように。
□ キャビネットやコピー機などの家具固定・避難経路の確保・ガラス飛散防止などの対策
高層ビルに事業所がある場合、高層階で大きな揺れの影響を受ける長周期地震動への対策も検討する。
□ 事業所の備蓄品を確認する:備蓄量の目安は最低3日分
来社中の顧客や取引先の従業員なども社内待機できるように、余分に備蓄(+10%程度)することも検討する。
飲料水(1人1日3L目安)、簡易食(3日〜1週間)、モバイル電源、懐中電灯などの光源、衛生用品(簡易トイレ・消毒用品、常備薬等)、毛布などを準備。
備蓄品は保存期限をチェックし、期限切れになる前に買い替え。
従業員等が自らの必要に応じて常備薬、着替え、運動靴、モバイル電源等を備蓄するよう周知する。
□ 在宅勤務者に対する防災対策の検討
非常用品の配置、停電時の通信手段などを検討する。
従業員自身が備えたい防災対策

従業員自身も、通勤時や自宅周辺の災害リスクを把握し、事前に備えることが必要です。
- 居住地や通勤経路のハザードマップを確認し、どのような災害が起こりうるかをあらかじめ把握しておく。
- 発災時の帰宅方法やルート、帰宅困難時の一時受け入れ施設や避難所などを確認しておく。
- 家庭での備蓄を行う(最低3日〜1週間)
大規模災害発生時には、「1週間分」の備蓄が望ましい。
水、カセットコンロなどの熱源は必需品。(カセットボンベは、1人で1週間当たり約6本程度)
食品の備蓄は防災食品の他缶詰類や災害時に不足しがちなビタミン等を補給できる野菜ジュース、常温保存可能なスープ類をローリングストックしておくこともお勧め。
また、アレルギー対応食品は、災害時には特に手に入りにくくなるので注意が必要。
この他、モバイル電源、ランタン・懐中電灯などの光源、ティッシュペーパー、簡易トイレ、消毒用品、常備薬等必要に応じ備蓄する。 - 家具の固定や安全な配置を行う。
- 家族の避難場所・連絡方法の確認しておく。
- 持病のある人は服薬が中断しない様、服薬している薬を7日間程度は備蓄しておく。
またお薬手帳などで服薬の情報を携帯する。
腎疾患や糖尿病等慢性疾患をお持ちの方は、主治医と災害時の対応を相談しておく。
災害時において産業保健スタッフは、情報発信や相談対応、ストレス対策や長時間労働への対応など、復旧期の従業員の健康と安全、事業継続を支える重要な役割を担います。
平時から防災教育や訓練を企画するなどして、職場全体で安心して働ける環境づくりを進めましょう。
株式会社メディエイト 保健師 小河原 明子

