いつもの眠り、大丈夫ですか? ~不眠症について~

4月は生活リズムが大きく変わりやすい時期です。新生活のスタートや職場環境の変化、気温差などが重なることで、自律神経に負担がかかり、睡眠の不調が現れやすくなります。
睡眠の不調は、生活環境を整えるなどのセルフケアで改善することが可能ですが、セルフケアを行っても中々睡眠の不調が改善されない場合は「不眠症」の可能性もあります。
5人に1人に睡眠の悩み ~意外に多い睡眠の悩み~
日本では不眠症状に関するさまざまな研究が行われていますが、いずれの調査でも日本人の約2割が不眠症状を抱えているとの結果が示されています。
性別では女性の方が不眠を訴える割合が高い傾向があり、特に中高年になると中途覚醒や早朝覚醒などの不眠症状が増加することが分かっています。
不眠症とは
- 入眠障害 寝つきが悪い
- 中途覚醒 眠りが浅く夜中に何度も途中で目が覚める
- 早朝覚醒 早朝に目が覚めて、その後再入眠できない
- 熟眠感欠如 熟睡した感じがしない
上記のような十分に睡眠がとれない影響で、
日中に
- 倦怠感
- 集中力や注意力の低下
- 抑うつ気分や焦燥感
- 意欲の低下
- 日中の眠気
- 仕事中や運転中のミスや事故の危険
- 睡眠不足による身体症状(頭痛や消化器症状等)
- 睡眠に関する不安
などの様々な症状が出現する病気です。
不眠は環境の変化による緊張や、強いストレスを感じる出来事などがあれば誰でも経験する症状ですが、多くの場合、眠れない状態は数日から数週間程度続く一過性のもので、ストレスの軽減や、セルフケアなどによって再び眠ることができるようになります。
問題となるのは、この不眠がセルフケアなどによっても改善せず慢性化し、日常生生活への影響が大きくなってしまうケースです。不眠症状が週3日以上、3か月以上持続し、日中の生活に支障が生じる場合は、「不眠症」として治療が必要になってくるケースもあります。
また不眠症は単独で生じる場合もあれば、精神疾患や身体疾患に伴って生じるケースもあります。
不眠症状への対応

不眠症状のみが存在し、日中の生活に支障が出ていない状態の場合は、不眠症とは診断されず経過観察で良いとされています。まずは睡眠を改善させるためのセルフケアを試してみましょう。
- 日中の活動量をUPさせる
ウォーキングや筋トレなどの運動や、通勤で歩く量を増やすことなどを意識する。
夕方以降の運動がより効果的。ただし体温が上昇すると入眠しにくくなるため、就寝直前の運動は避け、就寝2~4時間前までに実施する。運動は週に複数回行うと効果的。 - 朝起きたら、太陽の光をしっかり浴びる。なるべく日中も日に当たるようにする
睡眠と覚醒のリズムが整う。また日中になるべく日光に当たると、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が増加する。 - 朝食を摂り、就寝直前の食事はなるべく避ける
睡眠と覚醒のリズムが整う。朝食の欠食や夜遅い食事は、体内時計を後退させ寝つきを悪化させる。 - リラクゼーション法を試す
マインドフルネス呼吸法やヨガ、ストレッチ、音楽鑑賞、アロマなど - 入浴する
入浴後の体温の急激な低下が入眠を促すため、就寝の1~2時間前までに入浴する。 - 嗜好品の調整
カフェインは1日400㎎迄(コーヒー700㎖程度)とし、夕方以降の摂取を避ける。
アルコールは、寝つきは良くするものの、睡眠の質を落とすため、寝酒は避けると共に適量を摂るようにする。
タバコに含まれるニコチンにも覚醒効果があるため、寝る前の喫煙を避ける。 - 睡眠の環境づくり
就寝前は強い光を避ける。(強い光はメラトニン分泌を妨げる)。寝室を静かな環境にする。
リモートワークの場合は、寝室と仕事の場を分け、寝室はリラックスできる空間とする。寝具を自分自身にあったものにする。 - 眠れない時は無理して床に入らず、読書など落ち着いた時間を過ごし自然な眠気が来るまでまつ。起床時間を一定にすることで、自然な入眠を促す。
セルフケアで対応できない場合は医療機関へ相談を
セルフケアを行っても不眠症状が改善されず、日中に様々な症状や問題が生じる場合は、医師に相談し必要に応じて治療を受けましょう。まずはかかりつけ医やお近くの内科に相談してみましょう。
ストレスが不眠の原因となっていると考えられる場合や、抑うつや強い不安感、意欲低下などの症状が伴う場合は、心療内科や精神科へ相談頂くと良いでしょう。
株式会社メディエイト 保健師 小河原 明子

