風邪予防のための生活習慣

1年で最も気温や湿度が低くなるこの季節は、風邪やインフルエンザが流行しやすい時期です。

マスクや手洗い、予防接種といった基本的な感染症対策に加えて、日々の生活習慣を整えることも風邪予防には欠かせません。今回は、風邪を予防するために意識したい生活習慣のポイントをご紹介します。

食事のポイント

基本は「主食・主菜・副菜+果物」をそろえ、さまざまな食品からバランスよく栄養を摂ることが大切です。さらに免疫機能を正常に保ち、風邪を予防するためには、タンパク質、ビタミン・ミネラル類、腸内環境を整える食物繊維や発酵食品を意識して取り入れましょう。

免疫機能の維持・強化に関係する栄養素

栄養素 効能・摂取ポイント 含有食品
タンパク質 •免疫機能や体力の維持に不可欠。
•3食それぞれでタンパク質を含むメニューを取り入れることが不足防止のポイント。
肉、魚介類、卵、乳製品、
大豆製品に多く含まれる
ビタミンC・D •免疫機能の維持・強化、粘膜の保護、抗酸化作用などがあり、風邪予防に役立つ。
•特にビタミンCはストレスで失われやすいため、疲労や睡眠不足、精神的ストレスが高い時には積極的に摂りましょう。
緑黄色野菜、柑橘類、魚類、きのこ、
卵黄などに多く含まれる
ビタミンA 喉や気管などの粘膜を強化し、ウイルスの侵入を防ぐ。 緑黄色野菜、豚・鶏レバー、ウナギ、
アンコウの肝などに豊富に含まれる
ビタミンB1 不足すると腸管免疫の要である「パイエル板」が萎縮し、抗体産生が低下するとされている。 玄米などの胚芽付き穀物、豚肉、
大豆などに多く含まれる
ミネラル類 免疫機能の維持に重要。 カキなどの貝類、ナッツ、赤身肉、海藻、大豆などに多く含まれる

この時期は、肉や魚介類、野菜、きのこをたっぷり使った鍋料理が特におすすめです。
朝食にはみかんなどの果物をプラスすると、ビタミン・ミネラル・食物繊維を手軽に補えます。

良質な睡眠の確保し、生活リズムを整える

睡眠は免疫機能と深く関わっています。睡眠不足が続くと免疫機能が低下し、風邪などの感染症にかかりやすくなると言われています。このため、ご自身に必要な睡眠時間を確保し、翌朝に疲労感が残らず、日中の眠気がない状態を目指しましょう。忙しい場合でも、睡眠時間が6時間を切らないよう意識することが大切です。

睡眠不足が免疫機能を低下させる理由には以下の様な複数のメカニズムが関係しているとされています。

  1. ストレスホルモン「コルチゾール」の増加による免疫細胞の働きの低下
  2. 自律神経の乱れ(特に副交感神経の低下)
  3. 細胞性免疫に影響を与え、T細胞の機能低下やナチュラルキラー細胞の活性を減少させる

また、生活が不規則になると十分な睡眠がとれなくなります。起床・就寝時間を一定にし、日々決まった時間に食事を摂るなど、生活リズムを整えることも大切です。生活リズムが整うことで自律神経も整い、免疫機能を正常な状態で維持することにつながります。

ストレスへのセルフケアを行い、ポジティブ思考を大切にする

慢性的なストレスは自律神経に大きな影響を与え、コルチゾールの過剰分泌を招き、免疫機能を低下させる要因となります。このため、自分に合ったストレス対処法を持ち、日々実践することが大切です。もし方法が見つからない場合は、マインドフルネス呼吸法などのリラクゼーションもおすすめです。

また、笑うことが免疫機能を高めるという研究結果もあります。漫才や新喜劇を観た後に免疫細胞が活性化したり、粘膜免疫に関わるIgA抗体が増加したという報告もあります。
笑うこと以外にも、ポジティブな思考や感情、自己効力感(自分ならできるという感覚)は、免疫機能を高めるという研究結果も報告されています。

軽めの運動習慣を持つ

1日合計30分程度の運動を目安に取り入れてみましょう。

  1. ウォーキング、サイクリング、軽い筋トレなどの中強度の運動は免疫機能を高めると言われている。
  2. ストレッチやヨガはストレス軽減や自律神経の調整に役立ち、免疫機能の正常化につながる。

ただし、激しい運動は逆に免疫機能を低下させることが分かっています。フルマラソンなど高負荷の運動後は、数日間免疫機能が低下することもあります。心拍数が150を超える運動や、1時間を超える持久性運動を行う際は注意が必要です。

規則正しい生活、バランスの取れた食事、良質な睡眠、ストレスケア、そして適度な運動。
これらを組み合わせることで、風邪をしっかり予防し、冬を元気に乗り切りましょう。

株式会社メディエイト 保健師 小河原 明子