睡眠について

日本は他の先進国と比べると、平均睡眠時間が1時間以上少ない「睡眠不足の国」と言われています。
また日本人を対象とした調査では、5人に1人が「睡眠で休養が取れていない」、「何らかの不眠がある」と回答しており、多くの日本人が睡眠にトラブルを抱えているようです。

睡眠は心身の健康と密接に関係していますので、日々しっかりと睡眠をとることはとても大切です。今回は睡眠についてお話しさせていただきます。

ベストな睡眠時間とは?

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睡眠時間はどのくらいとれば良いのか?このようなご質問を受けることが良くあります。

このご質問に対する答えは、「人それぞれ」です。
必要な睡眠時間には個人差があると言われており、4時間で足りる方もいる一方で、9時間睡眠をとらなければ寝足りない方もいるなど様々です。

睡眠時間が足りているかは、起床時にある程度すっきり目覚めることができて、日中眠気を感じずパフォーマンスを発揮できる状態かどうかで判断いただくとよいでしょう。

目覚めた際、体が重く疲労感が残っていたり、日中会議で寝落ちてしまったり頭が回らない状態であれば、睡眠が足りていないと考えられます。また、週末に平日よりも2時間以上長く寝てしまう場合は、平日の睡眠時間が足りていない可能性があります。

睡眠不足の影響

睡眠不足は、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼします。

例えば睡眠不足が続くと食欲を抑えるホルモン「レプチン」の分泌が減少し、食欲を高める「グレリン」の分泌が増えるため食欲が増大し「肥満」のリスクを高めます。そして糖尿病や心筋梗塞などの冠動脈疾患、高血圧といった生活習慣病のリスクを高めます。

また、睡眠不足は意欲低下や記憶力減退など精神機能の低下を招くため、仕事上のミスや事故を引き起こしたり、「うつ病」のリスクを高めるともいわれています。

「週末の寝だめ」では、睡眠不足は解消できないと言われています。
仕事などで睡眠時間が中々確保できない場合は、2~3日に一度はしっかり睡眠時間を確保する日を作り、睡眠不足の状態をこまめに解消いただくとよいでしょう。昼休みに30分以内の昼寝をしていただくこともお勧めです。

睡眠のためのセルフケア

睡眠時間は確保できていても、寝つきが悪い(入眠障害)、眠りが浅く何度も目覚める(中途覚醒)、早朝に目が覚める(早朝覚醒)、睡眠時間は確保できているのに熟睡感がない(熟眠障害)といった睡眠のトラブルがある場合は、以下の睡眠のためのセルフケアをお試しください。

睡眠のためのセルフケア

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  • 体内時計を整えることが大切です。体内時計は朝の太陽の光と朝食でリセットされると言われています。起床後は「太陽の光」をしっかり浴び、軽くても良いので朝食をとりましょう。起床時間を一定にすることも効果的です。
  • 眠れない時は、無理して眠ろうとしないことも大切です。「眠れないこと」に不安を感じると、さらに不眠が悪化します。「眠れないこと」に対し焦らず、眠気がきたら布団に入るようにするとよいでしょう。
  • 日中の活動量をUPさせましょう。帰宅時に少し遠回りして歩くなど、午後以降の活動量を増やすことが効果的です。
  • コーヒーやエナジードリンクなどカフェインを多く含む飲み物の接種は、夕方以降控えるとよいでしょう。
  • 寝る直前の食事は控え、就寝2~3時間前までに済ませましょう。
  • お酒は適量にしましょう。お酒は寝つきをよくしますが、睡眠を浅くして睡眠の質を落とすと言われています。
  • 就寝前の入浴は温めのお湯で、10分程度で済ませましょう。体を温めすぎると寝つきが悪くなると言われています。
  • 寝る時間が近づいたら、スマホやタブレットなどの使用はさけ、強い光を浴びないようにしましょう。オレンジ系の照明や間接照明を用いると、睡眠ホルモンが分泌されやすいため、スムーズな入眠につながります。
  • 快適な睡眠環境を整えましょう。寝具は体に合ったものを選び、温度は20度前後、湿度40~70%に設定いただくとよいそうです。

睡眠のトラブルが続く時には、専門家に相談を

睡眠のためのセルフケアを行っても睡眠のトラブルが1か月以上続き、日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が低下していると感じられる場合は「不眠症」の可能性がありますので、専門医や職場の産業医などの産業保健スタッフに相談しましょう。

病院を受診いただく場合は心療内科や精神科が専門です。もし心療内科等への受診に敷居の高さを感じる場合は、かかりつけ医にご相談いただいても良いでしょう。

株式会社メディエイト 保健師 小河原 明子