人事必見!産業医と見直す休職者・復職者への対応

2018820163354.jpg
休職者が出た場合、人事担当者は産業と連携して対応していく必要があります。産業医は医師として専門的な判断を下し、人事は休職者に対して休職中の過ごし方や復帰についてフォローをしていくことになります。そこで休職者や復職者に対して、対応すべきポイントについてまとめていきます。あらかじめポイントを押さえておき体制を整えておくと、休職者が出てしまってもスムーズな対応ができるでしょう。

労働安全衛生法の「ストレスチェック制度」とは?

労働安全衛生法では、企業が社内環境を適切に整備することが必要と定められており、健康的・衛生的な労働環境作りを目指しています。ストレスチェック制度も労働安全衛生法にもとづいた施策です。
この制度では労働者のストレス状況を検査し、労働者自身が状況を把握すること、そして職場環境の改善のために役立ちます。ストレス状態を数値で表現するため管理がしやすく、また状態の把握がしやすいのも特徴です。質問票を使い、その回答によって心身の状態が評価されます。現在のストレス状況について知るだけでなく、今後のメンタル不調を防止する目的もあります。上手く活用すれば、できるだけ休職者が出てしまわないように事前の取り組みができるでしょう。

メンタル不調の休職

強いストレスがかかってしまうと、メンタルに不調をきたします。仕事もできなくなってしまうかもしれません。そのとき、企業は休職という形で対処をすることも考えられますが、その場合の確認事項や注意したいポイントがいくつかあります。

休職前への確認ポイント

休職を始める前の段階で、まずは休職者とのコミュニケーションを取り、休職理由の確認、休職のための手続きや休職期間などについて話し合いましょう。休職中の保険料や給与、手当など細かく知らせておくことで休職者も安心できます。
できるだけ休職中の不安や復職に向けての不安が解消されるようにすることが大切です。またこうすることが、休職者が会社に戻りやすい環境作りにもなります。

休職中の過ごし方

休職は不調を治療するための措置であり、休職中には体を休めるように理解してもらいましょう。
しかしメンタルの不調を治すためには気分の切り替えることも必要です。休職中に旅行や娯楽施設を利用することも考えられます。これらは禁止事項ではありませんが、このことが同じ社内の仲間に知られると良い気にはならない恐れがあります。企業としては、ほかの労働者のメンタルもないがしろにすることはできません。休職者には周囲の人たちへの配慮にも注意してもらうよう伝えましょう。

休職者へのフォロー

休職による回復の先には復職があります。ここでスムーズに復帰ができないと、再び休職してしまう可能性もあります。そのため人事担当者は社内環境を把握している産業医と共に復帰をサポートします。
産業医に復職が可能な状態かどうか判断してもらいますが、人事もあらかじめ復職までのフローを明確にしておく必要があります。復職のタイミングで休職者とトラブルにならないためにも、できるだけ復職の判断基準などを明確に知らせておくことが大切です。

職場復帰の準備

復帰のためのリハビリ

休職中でも、復職に向けてできることがあります。リハビリのように少しずつ仕事をしてもらうことも有効的です。無理なく徐々に参加してもらうことで、再休職にならないようにしなくてはなりません。
しかしそのためには、こうした復帰までの業務をフロー化しておく必要があります。業務内容は企業や休職者によっても異なります。具体的な仕事内容を定めるのではなく、働き方などを設定することになるでしょう。
例えば、在宅でできるリモートワークなどは良い例です。リモートワークは実際に、休職者に向けた業務のやり方として導入している企業もあります。リモートワークをサポートできるような業務ツールも多く存在し、柔軟に技術を取り入れていけばリハビリにも多様なやり方を見出すことができるでしょう。

企業と本人のマッチング業務

復帰ができるようにするには、休職者の心の負担を減らすことが重要です。そのためには休職者と意見を交わして互いの求めるものを合致させることがベストです。企業が本人に対してどのような期待をしているのか、逆に本人は企業に対して何を希望しているのか、これを把握することでより良い方向に進められるでしょう。
仕事の種類や仕事量、また職場の人間関係の問題もあります。以前働いていた部署の仲間と仕事をしたい、と考えている場合もあります。人事もできるだけ希望に応える形で落としどころを見つけなくてはなりません。すべて休職者の希望通りにできなくても、コミュニケーションが快適に取れる、信頼関係が築けている人と仕事に就かせるなど、付加価値を足してあげるのも良いでしょう。

就業規則の見直し・改善

休職者が出てしまった場合、企業としては見直しを考える必要があるかもしれません。休職に関して就業規則を整備することも考えましょう。そのことによって再発を防止するだけでなく、今後休職者が出た場合の療養や復帰準備、会社復帰へのプロセスのためにもなります。
就業規則で見るべきポイントは休職期間と勤続年数、休職期間の賃金など、また休職制度の対象範囲や復職時の手続きなどもあります。現在の就業規則を改めて確認し、休職に関する規則が充実しているか見直してみましょう。

休職や復職の判定は産業医へ

休職や復職が決まった場合には社内で決められた規則に沿って進めていくことになりますが、その前提となる休職・復職の判定には医師の判断が必要です。労働安全衛生法によって、企業は労働者の健康について医師の意見を聞く必要があると定められています。
主治医の診断後、産業医による面談を実施しましょう。産業医であれば、企業と連携し普段から労働者の健康管理を行っています。また定期的な社内環境の巡視もしており、状況が良く分かっています。産業医に判定してもらうことで企業も適切な措置が取りやすく、休職者の復帰に向けた取り組みにも連携していくことができるでしょう。
人事としては、労働者の健康はもちろん、企業の管理体制も考慮する必要があります。株式会社MEDIATEでは、産業医紹介を通して様々なフォローを行います。休職や復職に関する問題も、是非ご相談ください。