麻疹の罹患予防について

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2018年は特に海外から訪れた人が感染源となって、はしか(麻疹)に罹患する方が急増しています。
通常、麻しんは毎年春から初夏にかけて流行が見られ、特にアジア地区(タイ、フィリピン、台湾、
インドネシア等)に旅行された方や観光客から罹患する機会が増えています。

人の行き来が増えるゴールデンウィークに感染が更に広がる恐れがあり、厚生労働省も各自の
予防接種歴の確認や罹患歴を確認するなど、麻疹の罹患予防を推奨しています。

はしか(麻疹)とは?

パラミクソウイルス科に属する麻しんウイルスの感染によって起こる急性熱性発疹性の感染症です。
麻しんウイルスは人のみに感染するウイルスであり、感染し発症した人から、また別の人へと感染
していきます。

感染力は極めて強く、麻しんに対して免疫がない人や全く麻疹の予防接種を受けていない方が麻しん
ウイルスに感染すると90%以上が発病します。

潜伏期間

感染後10-12日を経て発症

症状

1 38度以上の高熱と風邪症状(咳・鼻水・喉の痛み)と結膜炎症状が出現。稀に下痢・腹痛も伴う

2 口の中に1-2mmの発疹が出現。

3 口内炎が消失し、少し解熱するが半日くらいで再度 38度以上の高熱が再度出現

4 耳後部、頚部、前額部から鮮紅色扁平な発疹が出現し、翌日には顔面、体幹部、上腕におよび、
2日後には四肢末端にまで発疹が広がり、38-39度台の発熱が3~4日間続く。

5 解熱し、発疹は退色し、色素沈着がしばらく残り、僅かの糠様落屑残り、喉の痛みなどの風邪
症状も次第に軽快する。 脳炎や心筋炎などの重篤な合併症のないかぎり7~10日後には回復する。

感染力

麻疹のウイルスは非常に感染力が強く、せきやくしゃみを浴びた場合だけでなく、空気中のウイルス
を吸い込んでも感染します。

重症化

麻疹はときにウイルスが脳や心筋に入り込み、脳炎や心筋炎を引き起こし、稀に後遺症が残って
しまう場合もあります。

予防接種

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日本では、H18年から乳児期に1回だけだった定期接種を2回に増やしましたが、S53年からH18年
生まれの方は1度しか麻疹予防接種を受けていない場合が多いこと、また40~50年前に比べて
幼児期に麻疹に自然罹患する確立が少なくなっていることから、麻疹の抗体を十分に持っていない方が
多く、免疫が十分でない事から、近年罹患の可能性が高まっています。

また、幼少期に”はしかに罹患した経験がある”と思っていた方でも、発疹は小児期に罹患する様々な
別の感染症でも見られる症状の為、実際にははしかには感染しておらず抗体を持っていなかったり、
予防接種を一回受けていても抗体値が充分でない場合もある為、家族やご自身の記憶に頼らずに、
抗体を充分に持っているかどうかを医療機関で改めて確かめることを厚生労働省も推奨しています。

費用

成人の場合は、風疹との混合ワクチンの任意接種と抗体検査は全額自己負担になります。
それぞれ自由診療の為、初診料+検査料がかかりますが、各市町村で費用を助成している自治体があります。

麻疹ワクチンの注意事項

麻疹ワクチンは、いわゆる病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として
作られた”生ワクチン”の為、妊娠を希望される女性は8週間(2ヶ月間)の避妊が必要です。

また、接種を受けた方全員がワクチン接種後10~14日間に、発疹・発熱などが出現してしまう可能性は軽度
ですが(5-13%程度)ある為、ワクチン接種後に頭痛、高熱、風邪症状、口内炎、発疹が出現した場合には
早急に医療機関を受診する必要があります。

まとめ

海外旅行は勿論、主要な駅、空港、観光地など、人がたくさん集まる場所にゴールデンウィークに行く予定の
ある方は、まずご自身の予防接種歴を確認し、抗体検査を受けて頂いて充分な抗体価を持っているかどうかを
確認し、抗体価が充分でなかった場合には、早めのワクチン接種をお勧めします。
株式会社メディエイト 産業医 望月 香織 (Kaori Mochizuki M.D)