若年層の心筋梗塞 《Vol.21》
生活の乱れや悪玉コレステロールに注意しましょう
《総数は少ないものの珍しい病気ではありません》
つい先日、40代の某女優さんが軽度の心筋梗塞で入院!というニュースが巷を賑わせましたが、若年層に起こる心筋梗塞は少数ですが、珍しい病気ではありません。
無理なダイエットや、睡眠時間不足、食生活の乱れ、基礎疾患(糖尿病や高脂血症、高血圧など)、喫煙などが心筋梗塞の誘因と成り得ます。
特に女性は40代に入ると、女性ホルモンの減少が加速的に起こり、遺伝的素因も関連しますが血液中の悪玉コレステロール値が上昇し、特に脳血管や心臓の冠動脈硬化や狭窄の原因となる為、脳梗塞や心筋梗塞の原因ともなります。
一見心臓の病気とはかけ離れたように見える症状もあります
急性心筋梗塞の症状の一般的なイメージは、「左胸が痛む」「息苦しい」「冷汗」がありますが、急性心筋梗塞の場合には典型的な左胸の疼痛だけでなく、心臓から離れた場所にも症状が出る場合があります。
例えば「歯痛」「左腕が重い」「左の肩こり」「左耳の聞こえが突然悪くなった「右胸が痛い」「背中が痛い」「疲れやすい」「舌がしびれる」「味がわからなくなった」「食べ物が胸につかえる」「吐き気がする」等、実に様々です。
糖尿病や高血圧、高脂血症等の基礎疾患をお持ちの方はもちろん、一切基礎疾患をお持ちでない方も、蒸し暑くなるこれからの時期には注意が必要です。
十分な水分摂取と規則正しい生活を
1.通常からカフェインの入っていない水分の十分な摂取(麦茶・水など)
2.正しい生活習慣(充分な睡眠時間・コレステロールの多すぎる食事の制限、適度な運動など)
3.蒸し暑い場所や屋外での長時間の作業には水分摂取をこまめに行う
4.無理なダイエットをしない(体内の水分・脂肪・タンパク質のバランスが崩れるため)
5.塩分・アルコール摂取を控える。アルコールを多く摂取した後は十分な水分摂取に努める
株式会社メディエイト産業医 望月香織 (Kaori Mochizuki M.D)