自律神経の乱れに注意しましょう

春は季節の変わり目であり、入社や異動、昇進など環境の変化が大きい季節です。
気温や気圧の変化、環境の変化が大きいこの時期は、自律神経が乱れやすく、心身の不調が起こりやすいため注意が必要です。

自律神経とは

自律神経とは、心拍数・呼吸・血液循環・代謝・体温・発汗・消化吸収などの生きるためのベースとなる機能を調整する働きを持つ神経システムで、自分たちの意思とは関係なく24時間休むことなく働き続けています。

自律神経は相反する働きを持つ「交感神経」「副交感神経」の2つで成り立っており、うまくバランスを取りながら、状況に応じて体を最適な状態となるように調整されています。

交感神経

活動するときに働く神経で、主に起床時から仕事などの活動を行っている時に優位になる神経です。
集中、緊張や興奮をしている時、怒りや危険、恐怖、ストレスがあるときにも優位となります。

交感神経が優位になると…
心拍数・血圧・体温が高まり、血管が収縮
→ 発汗したり、胃液の分泌などが減少し、消化吸収のはたらきが落ちるといった身体反応が起こる。

副交感神経

休息や睡眠の際に優位となる神経で、主に夕方から夜間にかけて優位となる神経です。
リラックスしている時、就寝中、楽しい時などに優位となります。(

副交感神経が優位になると…
心拍数・血圧・体温が下がり、血管が拡張
→ 発汗が抑えられ、胃液等の分泌が増えることで消化吸収がアップされる。

自律神経の乱れを引き起こす要因

不規則な生活
自律神経は睡眠や食事などの生活リズムに合わせ調整されているため、就寝時間や起床時間、食事時間がバラバラだと、自律神経が乱れやすくなります。

過度なストレス
過度なストレスがかかると交感神経が過度に働き、副交感神経の働きが弱まります。

気温や気圧の変化
気温や気圧の変化が身体的ストレスとなり、自律神経を乱します。

ホルモンバランスの変化
月経周期や更年期など、ホルモンバランスの変化が自律神経にも影響します。

この他、疲労・睡眠不足・運動不足・甲状腺機能などの病気なども自律神経のバランスを崩す要因となります。
春は入社や異動などによる環境の変化や、季節の変わり目で気温や天候の変化が大きいことから、自律神経が乱れやすい季節と言えます。

自律神経の乱れが引き起こす症状

自律神経の乱れで起こりやすい不調は、交感神経が過度に働いて起こる不調です。
交感神経が優位になると、血管が収縮するため血流が悪くなり、様々な不調を引き起こします。

  • 肩こりや頭痛、手足の冷えや肌荒れなど
  • 腸の動きが悪くなるため便秘や下痢になりやすくなる
  • 緊張状態が続くことで身体のだるさや疲労や不眠、動悸など
  • めまい、耳鳴り、眼精疲労、気分の落ち込みや不安感、意欲の低下、イライラなどといった精神的な症状

自律神経を整えるために

体内時計のリズムを整える
自律神経は体内時計のリズムと大きく関係しています。体内時計は24時間ピッタリではないため、日々時計のリズムあわせが必要です。
リズム合わせのためには、朝食を摂り朝日をしっかり浴びることが重要です。
また起床と入眠の時間を日々なるべく一定にし、3食決まった時間に食事を摂ることも効果的だと言われています。

自分にあったリラクゼーション法を持ち、睡眠や休息をしっかりとる
交感神経の過度な緊張を緩和し、副交感神経を高めるためにも、自分に合ったリラクゼーション法(呼吸法、入浴、アロマ、音楽等)を見つけましょう。
また、忙しい時ほど睡眠と休息を十分に取るよう意識することが大切です。

軽い運動をする
軽い運動は自律神経を整えるのに効果的と言われている。ウォーキング等の軽い運動や、なるべく階段を利用するなど日々の生活の中で活動量をUPするようにしましょう。

気温変化の影響を減らす
エアコンを上手に利用したり、カーディガンや上着など衣類の調整で気温変化の影響を減らすようにしましょう。

セルフケアでも不調が改善されず、症状が継続、悪化してくる場合は、職場の産業医や保健師などの産業保健スタッフ、心療内科等の医療機関に相談しましょう。

株式会社メディエイト 保健師 小河原 明子