緑内障について

3月10日~16日は「世界緑内障週間」です。

緑内障は中途失明原因の第一位と怖い病気でもありますが、日本では40歳以上の20人に1人、60歳以上の10人に1人以上の緑内障患者がいると言われており、比較的身近な病気でもあります。

緑内障とは

緑内障の一般的な原因

眼球の中は房水という液体で満たされており、この房水が眼球の中を循環しています。
房水がうまく流れず眼球にたまりすぎると眼圧が上昇し、視神経が障害されてしまうことが一般的な原因と言われています。

正常眼圧緑内障の原因

眼圧が正常範囲であっても視神経が障害されるタイプの緑内障です。
原因は視神経が弱い、血流が少ない、免疫の異常等の影響が考えられていますが、確実な原因はまだわかっていません。

緑内障のタイプ

続発性緑内障

何らかの原因のために眼圧が上がり発症する緑内障です。
目の病気(ぶどう膜炎や目の手術後、怪我等)や、目の病気以外(糖尿病や脳疾患、ステロイド点眼薬の副作用等)が原因とされています。

原発性緑内障

はっきりとした原因がなく発症する緑内障です。

開放隅角緑内障 (房水の出口である「隅角」が広い)

眼圧の上昇が軽度であり、視野の障害もゆっくり進むタイプの緑内障です。
正常眼圧緑内障もこの開放隅角緑内障に含まれ、日本で患者が多いと言われています。

閉塞隅角緑内障 (閉房水の出口である隅角が狭い)

房水の出口である隅角が閉じてしまうために急激に眼圧が上がるタイプの緑内障です。
この急性緑内障発作が起こると早急に治療が必要で、治療が遅れると短期間で失明に至ります。

緑内障の症状

開放隅角緑内障
症状の進行が緩やかなため、かなり進行するまで自覚症状がほとんどありません。
視神経が障害されると、見えない部分(暗点)が出現したり、視野が狭くなっていきますが、日常生活では通常両眼で見ているため、見えにくさや視野が狭くなっていても気づきにくいと言われています。

閉塞隅角緑内障
急性緑内障発作が起こった場合は、眼痛・充血・目のかすみ・頭痛・吐き気などの強い症状が出ます。

緑内障の検査と治療

緑内障の症状に気づいたら、早めに眼科を受診しましょう。
また健康診断の眼底検査で要精密検査となった場合も、自覚症状がないからと放置せずに必ず受診することが必要です。

眼科での検査
眼圧検査、眼底検査、隅角検査、光干渉断層検査(OCT)※、視野検査
※ごく早期の緑内障を診断できます。

治療
基本的治療は「点眼治療」を行いますが、他にもレーザー治療や、手術が行われる場合もあります。

自覚症状が乏しいために、途中で治療をやめてしまうケースが多いのですが、治療をやめて症状が進行してしまうと目の状態はもとには戻りません。治療を続けていくことが緑内障では非常に重要です。

緑内障の早期発見のために

早期発見し適切な治療を続ければ、ほとんどケースで視力や視野を維持できると言われていますが、緑内障の多くは症状が進むまで自覚症状に乏しいことが多く、自分自身で気づくことが難しい病気です。
40歳を過ぎたら一度は眼科医による検査を受け、目の状態をチェックしましょう。

また、下記サイトで視野等の見え方のチェックを行うことができます。一度チェックしてみましょう。

日本眼科啓発会議
アイフレイル啓発公式サイト https://www.eye-frail.jp/ 

株式会社メディエイト 保健師 小河原 明子