健診結果を活用しましょう – 肝機能① – 《Vol.53-1》
肝臓の主な機能
肝臓は人間の体の中で最も大きな臓器で、右脇腹の肋骨の内側に位置し、
重さは成人で1.2~1.5kgあります。
その主な機能は以下の4つです。
1. 体に入ってきた栄養分(糖・タンパク質・脂質など)を分解・蓄える
2. 薬剤やアルコールなどの有毒物質の分解・排泄
3. 脂肪の消化・吸収を助ける胆汁の生成
4. 補体(病原菌排除をつかさどる)の生成 など
肝機能障害の原因と症状
以下は、肝機能障害の主な原因とされるものです。
1. 肝炎ウイルス(A・B・C型等)、EBウイルスなどの感染によるウイルス性肝炎
2. 薬剤性肝炎
3. 膠原病などによる自己免疫性肝炎
4. 脂肪肝 など
また、肝臓周囲の臓器であるすい臓の炎症や胆のう炎、肝内結石や総胆管結石などでも肝機能障害が起こります。
肝機能障害の初期症状には、食欲低下・微熱・上腹部の違和感・倦怠感などがありますが、あまり典型的な症状は認められず、風邪などの症状によく似ていることから、肝機能障害が発見される事なく経過してしまう場合が多くみられます。しかし症状が進行・悪化すると黄疸が出現します。
株式会社メディエイト産業医 望月香織 (Kaori Mochizuki M.D)