予防接種について知ろう ~ワクチンの基本的な知識~
予防接種とは
予防接種とは、感染症の原因となる病原体に対する免疫ができる体の仕組みを使って、病気に対する免疫をつけたり、免疫を強くするために、ワクチンを接種することをいいます。
一般に、感染症にかかると原因となる病原体(ウイルスや細菌など)に対する免疫(抵抗力)ができます。免疫ができることで、その感染症に再びかかりにくくなったり、かかっても症状が軽くなったりするようになります。
予防接種とは、このような体の仕組みを使って病気に対する免疫を強くするために、ワクチンを接種することをいいます。
ワクチンの種類
◆生ワクチン
病原体を弱めた病原体からできています。
MRワクチン(M:麻疹、R:風疹)、水痘(みずぼうそう)ワクチン、BCGワクチン(結核)、おたふくかぜワクチンなど
◆不活化ワクチン、組み換えタンパクワクチン
感染力をなくした病原体や、病原体を構成するタンパク質からできています。
DPTーIPV:四種混合ワクチン(D:ジフテリア、P:百日咳、T:破傷風、IPV:不活化ポリオ)、DT:二種混合ワクチン、日本脳炎ワクチン、インフルエンザワクチン、B型肝炎ワクチン、肺炎球菌ワクチン、ヒトパピローマウイルスワクチンなど
◆mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン、DNAワクチン、ウイルスベクターワクチン
ウイルスを構成するタンパク質の遺伝情報を投与します。
その遺伝情報をもとに体内でウイルスのたんぱく質を作り、そのたんぱく質に対する抗体が作られることで免疫を獲得します。
予防接種の種類
◆定期接種
ワクチンの定期接種は、法律に基づき市区町村が主体で行われます。費用は国から支払われることがほとんどです。
<例>B型肝炎、結核など
◆任意接種
各自が希望して感染症にかかることを防ぐために受けるものです。費用は自己負担となります。
<例>インフルエンザなど
ワクチン接種前に気を付けること
ワクチンは、免疫力がしっかり身体に備わっているとよりワクチンの効果を発揮できます。
37.5℃以上の発熱がある人や、思い急性疾患にかかっている人、過去にアナフィラキシーを起こしている人はワクチン接種が出来ません。
免疫力を高めた状態でワクチン接種をすることをおすすめします。
予防接種の効果について
ウイルスや細菌に一度感染すると身体の中に、その病気に対する抵抗力(免疫)がつき、この記憶が身体の中に長く残ります。多くの場合は一度かかると二度とかからないといわれます。
例外としてインフルエンザなど、毎年少しづつ性質を変化させる病原体によるものは一生のうち何度かかかることがあります。
通常は、決められた回数の予防接種で病気を防ぐことが出来たり、症状が軽く済みます。
ワクチンによって違いますが、十分な免疫ができるまで一か月ほどかかります。
副反応とは
予防接種の後に、熱が出たり、腫れたりすることがあり、そのほとんどが2~3日で自然に消失します。このような変化を副反応といいます。
そのほとんどが生体の反応である一時的な症状で、本当にかかったリスクに比べると軽く、重度の副反応はきわめてまれです。
ワクチンを受けてからの注意点
・予防接種後30分は、接種場所で様子を観察しましょう。
・生ワクチンでは3週間、不活化ワクチンでは24時間は副反応の出現に注意しましょう。
・接種当日は、激しい運動は避けましょう。
・入浴は差し支えありませんが、接種部位をこすらないように注意しましょう。
社会を支えるワクチン
ワクチンは、病気を予防する薬であり、感染症の脅威から人々を守っています。
天然痘は世界から根絶(1980年5月)され、ポリオ(2018年症例数33人(世界))も根絶に向けた計画が進行中です。
現在、私たちは新興感染症の脅威にさらされています。世界中で優れたワクチンが求められており、感染症と人々との戦いは続いています。
参考資料
「ワクチンについて」一般社団法人日本ワクチン産業協会
http://www.wakutin.or.jp/index.html
株式会社メディエイト 保健師 石川 道子