年末年始の体重管理について

師走を迎え、楽しいイベントが目白押しの季節になりました。

この時期に気をつけたいのが「体重の増加」です。
体重の増加は、高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病のリスクや悪化要因となりますので、年末年始を楽しみつつも、体重を管理していくことが大切です。

今回は「年末年始の体重管理」についてお伝え致します。

体重が増加するということは?

エネルギー出納(エネルギー摂取量とエネルギー消費量の差)が「プラス」になる状態、つまりエネルギー摂取量が消費量を上回ると、体重が増加していきます。

体脂肪1㎏分のエネルギーは7,000kcalと言われていますので、エネルギー摂取量が消費量を7000kcal分上回ると、体重が1㎏増える計算となります。

例えばいつもより1日に500kcal多くエネルギー摂取し、活動量がいつもと変わらない状況では、1週間で3,500kcal、2週間で7,000kcalオーバーとなり、2週間で1㎏分の体脂肪が増える計算となります。

気をつけたいエネルギーの摂りすぎ

年末年始の会食で出されるお料理や飲み物や間食は、エネルギーが高いものが多いので要注意です。
以下に飲み物や食品のエネルギー量の一例をあげています。

アルコール・ジュース類

◇ ビール500ml:約200kcal ◇ グラスワイン1杯:約80kcal ◇ 缶酎ハイ500ml:約250kcal ◇ 日本酒1合:約190kcal ◇ ウイスキーロック1杯(ダブル):約140kcal ◇ コーラ500ml:約230kcal ◇ オレンジジュース200ml:約90kcal

おつまみ類

◇ お刺身盛り合わせ1人前(3種200g):約200kcal ◇ ローストビーフ1人前(40g):約80kcal ◇ フライドチキン1個:約250kcal ◇ フライドポテトSサイズ:約220kcal ◇ 焼き鳥(タレ/もも)1本:約90kcal ◇ サンマの塩焼き(1尾):約210kcal ◇ 冷ややっこ1人前(100g):約60kcal ◇ 6Pチーズ1個:約55kcal ◇ 枝豆1人前(50g):約30kcal ◇ ほうれん草お浸し(小鉢1皿):約25kcal

その他食品

◇ ショートケーキ1カット:約350kcal ◇ ポテトチップス1袋(60g):約330kcal ◇ カップアイス(バニラ/200g):約300kcal ◇ お餅1個(角切り):約120kcal ◇ 年越しそば1人前:てんぷらそば約500kcal、 ざるそば約350kcal

※コーラ500mlを1本とポテトチップス1袋食べるだけでも530kcalになってしまいます。
※エネルギーを意識せずに食べてしまうと、知らず知らずのうちに摂取エネルギーが増えます。

年末年始の体重管理のポイント

以下のポイントを意識して、体重の増加を防ぎましょう。

  • 毎日体重計に乗って、体重の変化をチェックしましょう。
  • たくさん食べ過ぎた翌日は、少し摂取量を減らしてみるなど、我慢し過ぎずに上手に摂取エネルギー量をコントロールしてみましょう。
    1週間単位でエネルギー出納をとらえてコントロールしていくことも、この時期にはおすすめです。
  • 会食の際は、揚げ物等の高カロリー食品に偏らず、お野菜類や海藻、魚、大豆製品などの油分が少なくエネルギー量の低い食品もあわせて摂るようにしましょう。
  • テレビ等を見ながらなどの「ながら食べ」「ながら飲み」は、ゆっくりできることの時期ならではの楽しみでもありますが、エネルギー摂取量が増えがちにもなります。あらかじめ食べる量や飲む量を決め、食べ過ぎ・飲み過ぎを防ぎましょう。
  • ポテトチップスやチョコレート等の間食は少量でも高エネルギーのことが多いため、商品パッケージに記載されているエネルギー量をチェックしながら、食べる量を調整しましょう。
  • まめに体を動かすようにしましょう。ウォーキングなどの「いわゆる運動」もお勧めですが、家の掃除や子供と遊ぶといったことでも十分な身体活動量のUPとなります。年末の大掃除は良い身体活動となりますのでお勧めです。
    また、まとまった時間でなくても、10分程度の散歩(体格にもよりますが、10分の歩行で約1,000歩・30kcalのエネルギー消費となります)、テレビのCMの間に筋トレやストレッチをするなど短時間の運動をまめに実施することを意識して、エネルギー消費量UPを目指しましょう。

血圧が高めの方など循環器の病気をお持ちの方が運動される場合は、朝の寒い時間帯を避け、昼前後の温かい時間に実施しましょう。

株式会社メディエイト 保健師 小河原 明子