インターバル速歩について

今年の夏は猛暑日が続き、暑さが非常に厳しい夏となりました。暑さのために体を動かすことも難しい夏でしたが、これからの時期は過ごしやすく運動に適した時期となってきますね。

運動にはフィジカル・メンタル両面でとても良い効果がたくさんあります。ただ、普段お仕事や家事などで忙しいと、運動をする時間を確保することが難しいという方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな忙しく運動の時間を確保できない方にお勧めしたい、普段の歩き方を変えることで効果的に運動量をUPできる「インターバル速歩」についてご紹介いたします。

インターバル速歩とは

「歩くことは体に良い」ということで、目標の歩数を決めて歩かれている方も多いと思います。
しかし近年の研究で、単に「ただ歩くだけ」では運動の強度が低すぎて、筋力・持久力の向上には十分な効果が上がらないということが分かってきました。そこで考案されたのがインターバル速歩です。

インターバル速歩とは、早歩きを行う「さっさか歩き」と「ゆっくり歩き」を交互に行うウォーキング法です。
このインターバル速歩は、信州大学特任教授である能勢博先生により科学的根拠に基づいて提唱されたウォーキング法で、筋力や持久力を無理なく向上させていくことが出来ると言われています。

インターバル速歩の効果

5か月継続して実施すると、筋力が10%持久力が最大20%向上し、生活習慣病が改善されたり、生活習慣病リスクが低減されるだけでなく、睡眠の質を高め、抑うつ気分改善させたりと、フィジカルだけでなくメンタル面での効果もあることが分かっています。

インターバル速歩は、普段の通勤や外出時の「普段の歩行」で取り入れていけばよいため、場所を選ばずどこでも実施でき、費用が掛からず手軽に行うことのできる運動トレーニングです。
また個人の体力に合わせ実施ができますので、年齢を問わずだれでも実施が可能だと言われています。

インターバル速歩の実施方法

基本は 「さっさか歩き」と「ゆっくり歩き」3分間ずつ交互に繰り返すことです。
負荷の低いゆっくり歩きを間に挟むことによって無理なく実施が可能です。

インターバル速歩のポイント

  • 「さっさか歩き(速歩)」の時間が1日合計で15分以上、週4日以上実施しましょう。
  • 1日の「さっさか歩き(速歩)」が15分以上であれば、分割して実施してOKです。
    → 分割して実施しても、運動の効果は継続して実施した場合と変わらないと言われています。
    出勤・帰宅時や昼食を食べに行く際など、少しの歩行時間を活用しこまめに速歩時間を確保しましょう。
  • ポイントは1週間の速歩時間が合計で60分以上となることです。
    このため、平日に歩く時間が確保できないという方は、休日の時間を利用しまとめて実施しても良いとされています。

歩き方のポイント

  • 「さっさか歩き(速歩)」のスピードは、「ややきつい」と感じる程度で、会話はできる位の速さが目安です。(ご自身が一番早く歩ける速度の70%程度の速さが目安と言われています)
  • 視線は約25m先を見るようにして背筋を伸ばし、大股歩きを意識しましょう。
    可能であれば、腕も大きく振って歩きましょう。

実施にあたっての注意点

  • 早朝や、インターバル速歩をはじめて実施する場合、筋肉がかたくほぐれていないと肉離れ等の思わぬ怪我につながることもあります。普段からあまり体を動かさない方は、歩く前に軽く下半身のストレッチを行い、筋肉をやわらかくしておくと安全に実施できます。
    (なお、午後3時~6時頃の時間帯は筋肉が柔らかくなっている時間帯のため、肉離れ等の怪我が起こりにくい時間とされています。)
  • 膝を傷めないためにも、歩く際の靴は、なるべく靴底が柔らかく、曲がりやすいもので、かかとにクッション性があるものを選びましょう。
  • 心臓等の循環器の病気や呼吸器に病気がある方、ひざの痛みなど整形外科系の病気があるなどがある方は、インターバル速歩を実施する際、念のためかかりつけ医と相談の上実施いただく様にしましょう。

株式会社メディエイト 保健師 小河原 明子