風邪・インフルエンザ ~お薬に気を付けよう~

インフルエンザ発症時の解熱剤に注意しよう

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インフルエンザ発症時、熱をさげる為に解熱鎮痛剤を使用する事もあると思いますが、使用する薬には注意が必要です。
使用する薬によっては、インフルエンザ脳症(インフルエンザに伴って発症する意識障害を主な症状とする病気)やライ症候群(インフルエンザや水疱瘡などに続発し、急性脳症や肝臓への脂肪沈着などが現れる病態)を誘発したり、重症化させる恐れがあるのです。インフルエンザ脳症は子供に多くみられますが、成人でも10~35%程度みられるため、成人も注意が必要です。

これらは、医療者は十分に認識しているため、医師に処方された薬を使用する事は問題ありませんが、過去に処方された薬を自己判断で使用する事、知人などから薬をもらって使用する事などはやめましょう。
市販薬を使用する際は、薬剤師に確認しましょう。

風邪の原因のほとんどがウイルス。抗菌薬は使用しない

風邪の80~90%はウイルス感染の為、抗菌薬は効きません。ウイルス性の風邪の場合は、休養や栄養により自己の免疫を高め、つらい症状に対しては、解熱剤や咳止め、鼻水止めなどの薬で症状を和らげる対症療法となります。

昔は、風邪による免疫低下をきっかけに、細菌に感染する事(二次感染)を予防するために抗菌薬の処方が行われていましたが、予防効果はないことがわかってきています。

細菌感染については、抗菌薬を用いる

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細菌による感染症の場合は、抗菌薬を用いて治療します。
感染症がおきた場所が肺なら肺炎、膀胱なら膀胱炎といった具合です。医師は感染症が起きた場所や原因になっている菌を考え、抗菌薬の種類や内服量・期間を決めます。

細菌感染症と診断され、抗菌薬を処方され時は、指示された用法用量を守り決められた日数で最後まで飲み切る事が大切です。
症状が無くなっても、体内に細菌が残っていることもある為、治療が終わらないうちに抗菌薬の投与をやめてしまうと、感染をぶり返す事があります。

また、勝手に量を減らすと薬の濃度が低いので細菌が完全に死滅せず、病原菌が徐々に慣れてしまい細菌が耐性を獲得しやすい環境となってしまいます。

お薬は、自己判断で以前処方された残りを使用したり、自己判断で中止することは絶対にやめましょう。
気になることは、主治医や薬剤師に相談しましょう!

株式会社メディエイト 保健師 新井 望