外国人労働者の雇用における快適環境づくり

2018820164232.jpg
近年、外国人労働者は増え続けており、人手を求める企業にとっても良い傾向と言えます。しかし雇用するには留意しなくてはならない点も多く、外国人労働者がストレスを貯めないためにもサポート体制を整えていくことが大切です。当コラムでは、外国人労働者の現状や労働に関する注意点、問題解決のための産業医の利用などについてまとめています。

増え続ける外国人労働者

グローバル化が進む現代では、国境をまたいで働くことも珍しくありません。日本人が海外に出ることも、逆に外国人が日本に働きにやってくることもよくあります。
実際、外国人労働者の数はほとんど毎年増え続けており、100万人という数もはるかに超えています。日本では少子高齢化なども影響し、人口そのものが減少傾向にあることから人手不足に悩む企業も多いです。そのため外国人労働者の需要も高まり、雇用する企業も増えることとなりました。
さらに最近では、技能実習制度の活用が進んだことで技能実習生の増加が顕著になっています。人手が欲しい企業からすれば労働者が増えるのは嬉しいことで、仕事意欲のある外国人労働者を雇用するメリットも大きいと言えます。一方で、意思の疎通がうまくできていないことなどからトラブルが起きてしまうこともあるため、雇用に際して注意すべき点もいくつかあります。

外国人労働者を雇用する注意点

外国人労働者の雇用では、認識の違いから問題に発展するケースが多いため、基本的に企業が外国人労働者に各種の説明をすることが求められます。できるだけ理解される内容に間違いがないようコミュニケーションを図りましょう。しかし雇用対策法にもとづいて定められた雇用・労働条件に関する指針は、努力義務にとどまるものがほとんどです。

募集や採用

外国人労働者の募集について、国外において直接募集する場合には事前に公共職業安定所への届け出が必要になります。国外からの斡旋を受ける場合であれば、職業紹介事業の許可を持っていることの確認をしましょう。採用については、在留資格に就労が認められていることを確認し、公平な選考をするよう配慮しましょう。

労働条件

企業は、外国人労働者が労働時間や賃金について理解ができるように説明する必要があります。賃金についてはその計算や支払い方法、税金、雇用保険料などの説明も理解できるように努めなければいけません。ここに誤解が生じ、企業と外国人労働者との間で認識のズレがあれば、のちにトラブルが起こるリスクがあります。できるだけ企業は外国人労働者が労働条件を理解できるよう、その内容を明らかにした雇入通知書の交付に努めましょう。
労働時間の管理については、一般の労働者と同じく適正な労働時間管理を行い、法定労働時間の遵守をしましょう。また企業は労働者名簿、賃金台帳を調製するものとし、その際外国人労働者の家族の住所や、そのほか緊急時における連絡先も把握するよう努めましょう。

労働環境

当然、外国人労働者がいる環境でも労働安全衛生法に則った取り組みが必要です。そのため機械設備や安全装置、保護具の使用方法については確実に理解してもらうよう説明が必要です。労働災害時に使うと思われる指示や簡単な合図についても習得してもらえるよう説明しましょう。
この他、衛生教育や災害防止に対する様々な配慮、健康診断なども同様に実施します。産業医によって健康指導・健康相談も実施されますが、いずれも努力義務とされています。

労災保険の確保

労災保険の制度について、保険給付に関する請求手続きなどは雇い入れ時に分かりやすく伝える配慮が必要です。実際に労働災害が発生した場合、相談に応じ、労災保険給付の請求手続きを代行し必要な援助を行うようにしましょう。

雇用の安定や福祉

企業は外国人労働者が適切な宿泊施設を確保することや、医療・文化・体育・レクリエーションなどの施設の利用について十分な機会が保障されるように努めます。日本の生活習慣や文化などについても指導を行い、相談に応じることも求められます。
職業能力の向上にも配慮し、安易な解雇はしないようにしましょう。やむを得ない場合は公共職業安定所、日系人雇用サービスセンターなどを利用しサポートに努めましょう。

外国人労働者は必要不可欠

これまでの傾向から見ても、まだまだ外国人労働者は増え続けていくことが考えられます。働き手が減り続ける日本にとって、外国人労働者は必要不可欠な存在です。労働市場も広がり多様性が増してきています。これからより多くの業界や場面で外国人労働者が雇用されるようになるでしょう。企業としても就労意欲の高い労働者が入ってくると従業員全体のモチベーション向上に繋がるなど、良い効果が期待できます。
雇用した場合、上手く付き合っていくためには上記の注意点などをしっかりと把握していかなければなりません。しかし問題なのは、上記のほとんどが努力義務であり完全な企業の義務ではないということです。そのためサポート体制が整っていない職場もまだまだ多いようです。外国人労働者の労務管理をしていくためには、コミュニケーションを密に取り、業務内容をマニュアル化しておくことも重要です。

英語能力の高い産業医が必要不可欠

慣れない環境で労働するのは大きな負担となり、外国人労働者にはストレスがかかりやすい傾向があります。できるだけこの状態を解消できるようにしましょう。外国人労働者を雇用するにあたり、快適環境を作るためには外国人雇用管理アドバイザーを利用することもできます。外国人労働者の雇い入れに対する疑問点などがあれば相談に応じてくれます。費用は無料で、公共職業安定所で申し込みができます。直接事業場にアドバイザーが派遣されるため利用するメリットは大きいと言えます。
しかし雇用管理の改善などが目的で、言語レベルもバラバラです。外国人労働者のメンタルや健康面への対策も合わせて行っていくには、産業医との連携をしていくと良いでしょう。産業医であれば社内の労働環境も把握しており、事業生産性を高めることにも貢献してくれます。外国人労働者を雇用している、または今後していく予定があるなら、英語能力の高い産業医を選任することがおすすめです。
株式会社 MEDIATEでは、長年の産業医紹介事業の経験から、英語能力の高い産業医を紹介可能です。もし外国人労働者へのメンタルケアの面でお悩みの場合は、ご相談ください。