歯周病について

6月4日~10日は「歯と口の健康週間」です。

口腔内の健康は、口の中だけの問題でなく、全身の健康状態にも大きな影響を与えています。
特に歯周病は、歯を失う原因の第一位であるとともに、糖尿病や動脈硬化疾患、認知症など様々な全身疾患と関連していると言われています。

45歳以上では過半数が歯周病であるとも言われています。
歯周病は一旦症状が進んでしまうと元の状態には戻すことが難しいため、予防と早い段階での治療が非常に重要となります。

歯周病とは
~サイレントディジーズ(Silent Disease:静かなる病気)~

歯周病とは、菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。

歯肉炎
歯と歯ぐきの間にできたすき間である「歯周ポケット」から
侵入した歯周病菌が歯肉に炎症を起こし、
歯ぐきが腫れたり、出血しやくなる。

↓↓↓ 進行すると ↓↓↓

歯周炎
歯を支える骨を溶かしてグラグラな状態に。
症状が進むと歯が抜け落ちてしまう。

初期段階では自覚症状がほとんどなく、症状が出る頃には、歯周病の状態はかなり進んでしまっています。このように自覚症状がなく病気が進んでいくために、歯周病は「サイレントディジーズ(静かなる病気)」とも言われています。

歯周病の全身への影響

歯肉に炎症がおこり出血すると、そこから歯周病菌が血管内に侵入していきます。
また、歯周病菌の代謝産物や歯周病菌よって産生された炎症性物質も、血液を介して全身に流れていきます。これらが全身の健康状態に影響を及ぼす原因となっていると考えられています。

歯周病と強く関連が認められる病気としては、糖尿病が知られています。
糖尿病では免疫機能の低下を起こすため、歯周病菌への感染が起こりやすく症状を悪化させてしまうことから、歯周病は糖尿病の合併症の一つとされています。
また歯周病を治療することによって血糖コントロールの改善が見られることから、歯周病と糖尿病の間には双方向的な関連があるとされています。

また、歯周病に伴い産生された炎症性物質などが血管内皮細胞を傷つけて動脈硬化をおこすとともに、歯周病菌がもつ血小板の凝集作用によって、心筋梗塞脳梗塞等を引き起こすと言われています。
その他にアルツハイマー型認知症や感染性心内膜炎、骨粗鬆症、関節炎、腎炎、誤嚥性肺炎、低体重児出産のリスクなど、様々な病気との関連が指摘されています。

歯周病の予防のために ~セルフケアとプロフェッショナルケア~

原因は歯に付着した細菌の塊である「歯垢」や「歯石」です。このため、歯垢や歯石をしっかり取り除いていくことが必要です。

セルフケア(ブラッシング)
毎日、自分自身で行う。

プロフェッショナルケア
セルフケアで除去しきれない歯垢や歯石を、歯科医院で定期的に除去してもらう。
症状がない段階でも歯科医院での定期的な口腔内の状態チェックと、クリーニングを受けるようにする。

中年期以降の方、糖尿病の方、妊娠中の方、喫煙者、免疫が低下している方などは、歯周病のリスクが高いと言われていますので、このような方は特に、定期的なプロフェッショナルケアを受けるようにしましょう。

歯周病セルフチェック

※一般財団法人 日本口腔保健協会「お口の健康セルフチェック」より

🔲 朝起きた時に、口がネバネバする。
🔲 歯の根元がしみる。
🔲 歯垢、歯石がついていると思う。
🔲 歯が長くなったように見える。
🔲 口臭を感じる、口臭があるといわれる。
🔲 歯と歯の間によく食べ物がはさまる。
🔲 歯みがきをすると歯肉から血が出る。
🔲 かたい物をかむと痛い、かめない。

1つでも該当したら歯周病の疑いがあります。重症にならないように歯科医院で相談しましょう。
該当項目がない場合でも無症状で歯周病が進行することがありますので、1年に1回は歯科検診を受けましょう。

株式会社メディエイト 保健師 小河原 明子