風疹

風疹とは

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風疹ウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症です。感染経路は、人の咳や鼻水などを介する
「飛沫感染」です。

症状としては、初期症状として倦怠感や微熱、首のリンパ節の腫れなどが現れます。初期症状が現れて
3-7日前後で、発疹がみられます。発疹は、顔から全身へと広がります。

風疹に対する免疫が不十分な妊娠20週までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、母親から胎児へ胎盤を
介して感染し、目や耳、心臓等に障害をもつ「先天性風疹症候群」を起こす事があります。

2012年~2013年には、全国的に多くの風疹患者発生がありました。

今年度の状況としては、国立感染症研究所によると7月下旬から患者が急増し、8月までに昨年の年間患者
数をすでに大幅に上回っています。国立感染症研究所は8/21に緊急情報を出し注意を呼びかけています。
現在は東京都、千葉県、福岡県などの首都圏を中心に感染が広がっていますので注意が必要です。

ワクチンで予防しよう

風疹の予防法はワクチン接種です。妊娠を希望する女性だけでなく、妊婦の家族や職場の人はワクチン接種
で予防することが大切です。
(妊娠中のワクチン接種不可、妊娠前については、ワクチン接種後2か月は避妊が必要)

風疹ワクチン(主に接種されているのは麻しん風疹混合ワクチン)を接種する事によって95%以上の人が
風疹ワクチンに対する免疫を獲得する事ができると言われています。また、2回接種する事で、1回接種
では免疫がつかなかった多くの人に免疫をつけることができます。

風疹の予防接種は、年代によって様々でしたので、年代に合わせた予防策の検討が必要です。
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【風疹ワクチン接種状況】

      年 代               接 種 状 況
S37年4/1以前生まれ 定期接種なしも、大半の人が自然に風疹に感染することで免疫がある
人が多い。
S37年4/2~S54年4/1生まれ 中学生の時、女性のみを対象とした集団予防接種が行われていた。
男性は定期接種の機会がなく免疫がない人が多い。
S54年4/2~S62年10/1生まれ 中学生の時、男女とも予防接種の対象となっていたが、医療機関での
個別接種であったため、接種率が低く、風疹の免疫がない人が多い世代。
S62年10/2~H2年4/1生まれ 男女とも、幼児期に予防接種の対象となり接種率は比較的高い。
接種を受けていない人は免疫がない人が多い。

風疹の抗体検査(風疹に対する免疫があるかどうかの検査)をしてから、必要に応じてワクチン接種をする
事ができます。

すでに免疫を持っていたとしても、予防接種を受けることによって、特別な副反応が起こるなど問題はない
ため、抗体検査なく、予防接種を受けても問題ないとされています。

抗体検査や予防接種についての実施可否や費用については、お近くの医療機関や保健所に問い合わせてみて
ください。

株式会社メディエイト 保健師 新井 望