韓国における中東呼吸器症候群(MERS)の輸入症例

韓国における中東呼吸器症候群(MERS)の輸入症例

メディアリリース (WHO西太平洋事務局) 2018年9月9日

韓国は、中東呼吸器症候群(MERS)の輸入例を正式に報告しました。これは2015年のアウトブレイクが終わって以来、韓国国内で初めて見られた症例です。

この症例は、8月16日から9月6日まで仕事のためクウェートに渡航した61歳の男性です。彼は韓国に戻った直後に発熱、下痢、呼吸器症状で入院し、現在は隔離されて治療を受けています。

韓国の国際保健規則に関する国の連絡窓口(National International Health Regulations Focal Point)は、9月8日に世界保健機関(WHO)に報告しました。同じ日、MERSであることが検査室で確認されました。

この症例は珍しいものですが、MERSが中東以外の地域で出現することもあります。医療施設における適切な感染予防と感染管理措置、接触者の追跡、公衆通信などの迅速な対応策の実施によって、感染拡大のリスクを最小限に抑えることができます。WHOは、必要な対応について韓国疾病管理予防センター(KCDC)と協議しており、必要に応じて、さらなる支援を行う用意があります。

MERSは、2012年にサウジアラビアで最初に確認された新規コロナウイルス(MERS-CoV)に起因しています。その後、WHOはこの病気のモニタリングを続けており、27カ国から2200件以上の検査室確定症例が確認されました。典型的なMERS症状には、発熱、咳、息切れなどがあります。肺炎は一般的ですが、常に存在するとは限りません。下痢を含む胃腸症状も報告されています。約3分の1の症例では、この病気は致命的です。

この疾病とヒトコブラクダとの間には関連性があるように見えますが、これまでの大部分のヒトの症例は医療施設で発生しています。このウイルスは、患者と看護している人の間など緊密な接触がない限り、ヒトからヒトへと容易には感染しないようです。したがって、感染予防および管理措置の実施は、医療施設におけるMERS-CoVの予防にとって重要です。

WHOは、MERS-CoVに関連する渡航または貿易の制限、または入国審査entry screeningの適用を推奨しません。

出典

Case of imported MERS reported in Republic of Korea
Media release, 9 September 2018, WHO WPRO
//www.wpro.who.int/mediacentre/releases/2018/20180909/en/#

 

厚生労働省検疫所FORTH HPより引用
https://www.forth.go.jp/topics/20180910.html

 

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