新年に年間の健康増進推進計画を作成しましょう! 《Vol.29》

新しい1年も健康で働くために…

《年始の1~2月は特に健康に関して注意が必要です!》

年末年始の食生活の乱れや飲酒の機会の増加、多忙なスケジュールにより、 1月~2月は高脂血症や高血圧、高尿酸血症などの疾患が悪化する傾向にあります。その結果、新年度に施行される健康診断で生活習慣病の有症率が増加し、「一度悪化してしまった検査結果を改善するのが難しくなった。」という事例がよく見られます。

さらに、インフルエンザやノロウイルスなどのウイルス疾患の流行時期と重なる事や、長期休暇明けの生活リズムが整わず、思わぬ怪我や事故が増加するため、新年を迎えた1~2月は1年間で最も各就業者が健康に気をつけなくてはならない時期といえます。

うがいや手洗いなどの基礎衛生を心がけ、十分な睡眠時間の確保や規則正しい生活を行うだけでなく、各自で年間の「健康推進計画」「年次目標」を作成し、その計画を達成するためにどのような生活習慣を心がけるべきかを、新年に改めて確認する事が重要です。

個人だけでなく…

各事業所においても安全衛生委員会を開き、新しい1年の「健康保持増進年次計画」を作成することをお勧めします。また、実際にその計画を実施する際の各部署間の協力体制も確認しましょう。

厚生労働省と中央労働災害防止協会は、各事業所の「健康保持増進計画」に基づき、「THP」(トータル・ヘルスプロモーション・プラン)を実施する事を推奨しています。
「THP」とは、産業医を中核としたスタッフ (運動指導担当者、運動実践担当者、心理相談担当者、産業栄養指導担当者及び産業保健指導担当者) がそれぞれの専門性を生かしながら、4つの健康指導(運動指導、保健指導、メンタルヘルスケア、栄養指導)をチームを組んで行い、個々の労働者に具体的な健康増進指導をするといった取組みです。

このようなスタッフが社内に確保できない事業所に対しても、労働者健康保持増進サービス機関・指導機関に委託して実施する事も可能ですので、検討してみてはいかがでしょうか?

もう一度昨年の健診結果を見直してみましょう。

たとえ現段階で症状が見受けられなくても、高脂血症・高血糖・高血圧などは将来的に大きな疾病につながっていく可能性があります。

昨年受けた健康診断の結果を、新年にもう一度見直し、「個人で改善できる事はあるのか?」「現時点で治療の必要はあるのか?」「毎日の生活の中で具体的にはどのようなことに気を付ければいいのか?」など不安に思われる場合には、産業医やかかりつけ医にご相談下さい。

株式会社メディエイト産業医 望月香織 (Kaori Mochizuki M.D)

「健康保持増進年次計画」を生かし、今年も健康的に過ごしましょう。